日本産業衛生学会 中国地方会
地方会ニュース 第46号(令和8年1月)
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山口県における社会的支援の『つながり』と『ひろがり』

山口県産業医会 会長
塩田 直樹
 皆さんこんにちは。山口県産業医会 会長の塩田です。前回(No.41 令和5 年7 月号)、維新胎動の地山口県ならではの仕組みであり、日本産業衛生学会の産業医部会や日本医師会の産業医部会とは異なる組織である山口県産業医会の成り立ちと経緯について触れさせて頂きました。今回は、当会における産業保健活動の現況についてご報告させて頂きます。
 山口県産業医会は、事務局を山口県労働基準協会内に置き、会長1名、副会長2名、監事2名( 会計、行事)、学会長1 名、幹事若干名の役員と、会員70 名弱の会です。主な会務( 事業) は、①県内関係機関からご依頼頂いた理事・評議員の派遣( 山口県予防保健協会理事/ 評議員、山口県公衆衛生協会理事( 産業保健部会 会長)/ 評議員、山口県医師会産業医研修カリキュラム委員)、②山口県からご依頼頂いた各種会議体等への委員派遣( 山口県がん対策協議会、健康やまぐち21歯科保健分科会、山口県歯科保健医療提供体制検討会、山口県地域職域連携推進委員会、山口県アルコール健康障害対策・ギャンブル等依存症対策推進協議会、山口県たばこ対策会議、山口県感染症健康危機管理兼山口県麻しん風しん対策協議会、やまぐち社会医学系専門医研修プログラム管理委員会)、③県内関係機関からご依頼頂いた講習会や研修会の講師派遣( 山口県医師会認定産業医研修、山口県労働基準協会が実施する技能講習等の教育・研修) に加え、④当会と山口県医師会が主催し、山口県産業看護研究会と共催する山口県産業衛生学会の開催(1 回/ 年) があります。会務の進捗管理のための幹事会を年3 回開催し、うち1 回は、役員間および県内関係機関役員との交流および懇親の機会となるよう運営しております。
小職は9 代目の会長職をⅡ期 (6 年間) 務めさせて頂き、この度、2026 年2 月末をもって次期会長に引き継がせて頂きます。
 小職が会長職を引き継ぐ際、山口県産業医会設立趣意書に記された『今迄のように事業場在籍の医師だけの問題ではなく「全県的に幅広い組織によるべき」であると考えまして本年( 昭和43 年)2 月山口県工場医会の定時総会でこれを発展的に山口県産業医会と改称することに決定し、広く県下の全医師である衛生管理者が入会、相連携して産業医学の研究、調査を行い講習、研修会、学会等を開催して、医師である衛生管理者としての資質の向上に努める事に致したのであります』の思いを継ぐべく、縦の繋がり、横の繋がりの強化を意識した会務の充実を心掛けてまいりました。
 小職の任期中の出来事で最も印象深い出来事としてコロナ禍への対応が思い起こされますが、「地域でのお互いの活動を知ること」「地域の関係者同士が顔の見える関係性でつながること」「知ることが力になること(視野が広がる・思考が深まる・ヒントを得る)」を再認識するとても大事な契機となった、と理解しております。が、その一方で、『忘却』は人間の最大の能力であり、理不尽や不運な状況を生き抜いていくうえで本当に必要なのは『記憶力』よりも『忘れる能力』だとも言われます。
 我々、山口県においては全国で3 番目の高さとなっている高齢化を背景に、死亡数が出生数を大きく上回って推移している現実が目の前に存在し、全国的には65 歳以上の高齢者が総人口の約3 割( 約3 人に1 人) を占め生産年齢人口(15 歳~ 64 歳) は大幅に減少すると予測されている『2030 年問題』、1971 ~ 1974 年生まれの「団塊ジュニア世代が65 歳以上となり高齢化率がピーク(約35%)に達する一方、生産年齢人口は大幅に減少し、労働力不足、社会保障制度(医療・介護・年金)の維持困難、経済停滞など予測されている『2040 年問題』、そしてその先には少子高齢化と人口減少が加速し、総人口が約9500 万人(約25%減)となり生産年齢人口が大幅に減少し労働力が深刻化する一方、気候変動により異常気象が常態化する未来予測があります。時の移ろいに伴い解消出来たものがある一方で、向き合うべき新たな課題が出てきており、今迄の延長線上には存在し得ない対応方法を模索するべく、地域での顔の見える関係性構築の重要性は増すばかり、と理解しております。
 コロナ禍を機にAIが瞬く間に社会に実装され、大規模言語モデル(Large Language Models)の機会的学習(Mechanical Learning)により急速な進化を遂げ、巧みに言語を操り、エコーチャンバー(echo chamber)やフィルターバブル(filter bubble)に代表される認知的不協和(cognitive dissonance)によって生じる特定の情報への選択的接触や、確証バイアスによる情報の取捨選択の傾向が潜在的に強化され、『つくられた事実』と『事実を積み重ねるだけではみえてこない「真実」』を見定めるための情報リテラシー(情報を正しく読み取り、理解する能力)を高めることが益々重要になった、と理解しており、我々産業保健専門職においては今まで以上にエシカル(ethical)を常に意識し、『人的資本(human capital)』、『人的資源管理(human resource management)』、『組織行動(organizational behavior)』に携わりながら、自分も周囲も楽しんで働けるよう心を尽くす感情を介したコミュニケーションに関する知見を積み重ねていく事が不可欠である、と理解しております。

 「みんなちがって、みんないい」

 山口県生まれの童謡詩人 金子みすゞさんの代表作「わたしと小鳥とすずと」の一節にもあるように、すべての働く人々を支える仲間である産業医、産業保健看護職はもとより、衛生管理者や産業衛生技術専門職( 作業環境測定士、労働衛生コンサルタント(労働衛生工学)、インダストリアル・ハイジニスト、オキュペイショナル・ハイジニスト等々) どうしの繋がりが強化され、お互いを高めあうような活動がますます活性化されて行くよう、これまでも、これからも繋がりを意識し、更には、中国地方会各県の活動が更なる高みを目指して活性化していくような活動を目指した活動を展開して参りますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。
第35回日本産業衛生学会全国協議会開催報告



企画運営委員長 斎藤 恵
 2025年11月27日(金)から29日(土)、あわぎんホール、シビックセンター(徳島県徳島市)にて、第35回日本産業衛生学会全国協議会を開催しました。
 テーマは「すべての労働者が元気に働ける産業保健をめざして」としました。
 女性労働者や外国人労働者の進出、定年延長による高齢労働者の活躍、障害や病気を持ちながら就労継続する労働者、この多様性に溢れる現代の産業現場で、すべての労働者がそれぞれの置かれた立場で、最大限に能力を活かしいきいき元気に働けるために、私たちは何を目指すべきか。この私たち産業保健に関わるものにとっての永遠のテーマを、再度原点に立ち返って考えたいと思いました。そして、私たち産業保健関係者自身も、多様化する産業保健現場で元気に活躍していくことができるようにという願いもこめて、このテーマに決めました。
 まず初日の実地研修は、西精工株式会社土成第1工場、大塚製薬工場松茂工場、日亜化学工業株式会社本社工場、鳴門本家松浦酒造の4か所に向けてそれぞれバスを走らせました。それぞれ製造しているものも違いますが、工程見学や安全衛生の取り組みについての説明があり、充実した実地研修となったようです。
 4部会合同シンポジウムでは、4部会長にそれぞれ、各部会の抱える課題や今後の目標や展望を語っていただき、最後に武林理事長に指定発言をいただきました。各部会の連携の重要性が改めて認識され、産業保健の未来に対する新たな意欲と希望が生まれたように感じました。
 特別講演1では目黒公郎先生から、これまでの大災害を振り返り、わが国の防災対策の課題と目指すべき方向性を教えていただき、特別講演2では徳島県が誇る腰痛のスーパードクター西良浩一先生に、腰痛に悩む人を正しい診断に繋げることの重要性と、侵襲の少ない手術法をご教示いただきました。
 メインシンポジウム1では「すべての労働者が元気に働くための両立支援」をテーマに主治医・両立支援団体主催者、研究者、特例子会社社長、と立場が違う4名のシンポジストに、これまでの取り組みを語っていただき、檀上で討議していただきました。両立支援が事業場の努力義務化されますが、私たち産業保健従事者がどう関わればよいか改めて考える機会となりました。メインシンポジウム2では「すべての労働者が輝ける社会へ」として、産業保健体制が充分ではない中小規模事業場の産業保健活動を充実させるための取り組みについて、4人のシンポジストに発表、討論いただきました。
 一般演題(ポスター)は173演題が集まり、活発な討議が展開されました。
 懇親会では徳島の有名連である娯茶平連と一緒に阿波踊りの大乱舞、最高潮の盛り上がりでした。
 最終プログラムの市民公開講座は、徳島県出身のフリーキャスターの丸岡いずみさんをお迎えし、「今労働者に求められる産業医や心理士とは~取材から見えた現実~」のタイトルでご講演いただき、会場の参加者と共に考える機会となりました。
 3日間晴天に恵まれ、1500人以上の方に来場していただきました。
 企画運営委員の皆様方、には大変お世話になり心より感謝申し上げます。
 中国地方会の皆様にも多大なご協力をいただきまして本当にありがとうございました。
第69回中国四国合同産業衛生学会(開催報告)



第69 回中国四国合同産業衛生学会 企画運営委員長 
森岡 久尚
(徳島大学大学院医歯薬学研究部公衆衛生学分野 教授)
 第69回中国四国合同産業衛生学会につきまして、令和7年11月29日(土)に、徳島県徳島市のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)にて開催しました。同年11月27日(木)から29日(土)まで、同ホールなどで、第35回日本産業衛生学会全国協議会(企画運営委員長:斎藤恵徳島県産業保健総合支援センター所長)が開催されました。このような事情もあって、本学会には133名の参加がありました。中国地方会の会員の皆様を含め、大勢の方々にご出席いただきましたことに感謝を申し上げます。
 本学会のテーマは「メンタルヘルスの充実に向けて」としました。午前中は、東邦大学医療センター佐倉病院産業精神保健・職場復帰支援センターの小山文彦センター長(教授)に、「メンタル不調者への復職・両立支援」というテーマで講演いただきました。小山先生からは、人の精神現象を生体・心理・社会要因の三つの視点からとらえることが重要で、メンタルヘルス不調者の就労の可否判断にもbio-psycho-social model の見解が有用であるとのお話がありました。また、職場復帰のためのリワークの導入では、当事者、主治医、職場の共通理解が必要とのお話がありました。その際に活用する具体的なアセスメント項目について、小山先生が実施された研究によれば、主治医と職域間の連携が治療効果と関連するとのご説明がありました。最後に、復職者の職場や社会におけるキャリアを見積もることも重要であり、キャリアに相応しい機能回復に向けた支援を検討する際には、人事部門とも連携して行うことも求められるとのお話が私は特に印象に残りました。お忙しいところ講師をお引き受けいただきました小山先生に感謝を申し上げます。
 その後、一般演題の発表となり、産業保健に関する研究や新たな取り組みなど、7 題の発表がありました。会場の出席者からも活発に質問やコメントが寄せられ、大変充実した発表会となりました。午後からは、産業医部会・産業衛生技術部会合同研修会と産業保健看護部会・産業歯科保健部会合同研修会の二つの研修会が開催されました。本学会の出席者は二つに分かれて、どちらかの研修会に出席することになりましたが、両研修会とも大勢の出席者があり、グループワークと全体討議では熱心に議論が行われていました。これらの研修会をもちまして、本学会の行事はすべて終了となりました。
 改めて、本学会にご参加いただきました皆様に感謝を申し上げます。次回は、令和8 年7 月25日、26日に、山下潤先生(マツダ(株))が学会長として広島において開催されると伺っています。最後になりましたが、本学会の開催にあたって、全国協議会の斎藤委員長、菅沼成文先生、杉原由紀先生に大変お世話になりました。この場を借りて、深く感謝を申し上げます。また、中国地方会の会員の皆様のご健勝とご発展を祈念申し上げます。
第99回日本産業衛生学会のご案内
― すべての働く人への産業保健
― 実践と学術の協働で挑む ―






   

第99回日本産業衛生学会企画運営委員長 
林  朝茂
大阪公立大学大学院医学研究科産業医学


森口 次郎
合同会社森口産業医事務所
 第99回日本産業衛生学会を、2026年5月27日(水)から30日(土)までの4日間、グランキューブ大阪(大阪国際会議場)にて開催いたします。本大会は近畿地方会が担当し、魅力的で充実した学会となるよう、地方会員を中心とした多くの関係者が一丸となって鋭意準備を進めております。
 日本産業衛生学会は、時代とともに変化してきた「働く人の健康課題」に対し、幅広い専門性を有する学会員が専門分野の垣根を越えて連携し、さらに産業保健の実務専門家と大学等の学術専門家が協働して対応・克服してきたという、大きな特色を有しています。産業保健を取り巻く環境が大きく変化する中で、本学会に寄せられる期待は一層高まっています。これらの課題に取り組むためには、対策や政策の意思決定を支える強固なエビデンスの構築と、職場における根拠に基づく実践の実装が不可欠であり、これまで以上に実務と学術の協働が求められています。
 今回の学会では、53年ぶり2回目となる企画運営委員長の二名体制を採用し、実践の立場から森口次郎、学術の立場から林朝茂がタッグを組んで運営にあたります。この体制を象徴する大会テーマとして、「すべての働く人への産業保健―実践と学術の協働で挑む―」を掲げました。協働を象徴する「握手」をモチーフとした大会ポスターには、本大会に込めた私たちの意気込みと熱意を表現しています。2027年の第10回大会、そして2029年に迎える学会創立100周年を目前に控えた今、学会として、また学会員一人ひとりとして、すべての働く人に価値ある産業保健をどのように届けていくのかを考える機会となる学会を目指します。
 第99回大会は、万博の熱気が冷めやらぬ大阪で、梅雨入り前の爽やかな季節に開催されます。大阪は「くいだおれの街」と称される食文化をはじめ、歴史や多彩な観光資源にも恵まれた魅力あふれる都市です。また、近畿エリアの他府県へのアクセスも良好で、学会終了後に周辺地域の観光を楽しんでいただくこともお勧めいたします。
 コロナ禍を経て、現地で顔を合わせて議論し交流する学会参加の意義が、改めて認識されるようになりました。ぜひ多くの皆様に大阪へお越しいただき、各セッションでの活発な意見交換や、全体懇親会での交流を深めていただければ幸いです。全体懇親会は、若手を中心とした実行委員会が熱意をもって準備を進めております。一方で、リモート参加へのニーズにも配慮し、シンポジウムや教育講演など一部の企画については、オンデマンド配信を予定しております。
 皆様からの演題のご応募、ならびに多くの方々の学会へのご参加を、心よりお待ちしております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
第70回中国四国合同産業衛生学会(広島)のご案内



マツダ株式会社 安全健康防災推進部 
山下  潤
 このたび、第70回中国四国合同産業衛生学会を、令和8年7月25日(土)および26日(日)の2日間、広島県医師会館(広島市)にて開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。来年度は、例年とは異なる時期での開催となります。会員の皆様には日程調整などご負担をおかけすることもあるかと存じますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 本学会のテーマは「人生100年時代における産業保健」といたしました。少子高齢化や労働力人口の変化により、生涯にわたる就業を想定した健康支援がますます重要になっています。加齢に伴う健康課題や仕事と治療の両立支援、働き方の多様化、職務遂行能力の維持、生活状況に応じた個別支援など、産業保健の対象領域は広がりを見せています。
 産業医や保健職はもとより、私たち職域の労働衛生を支える全ての職種には、医学的知識にとどまらず、職場全体の健康管理や組織運営、人材管理、多職種との連携といった産業保健の幅広い視点から、働く人々を支援することが求められています。こうした社会的背景を踏まえ、本テーマを設定いたしました。
 また、今回の学会では、第9回日本産業衛生学会ダイバーシティ推進委員会オンラインセミナーを併催いたします。本学会とあわせて多角的な学びの機会を提供できるものと考えております。

 開催時期等、例年と異なる部分もございますが、参加される皆様にとって有意義で実りある学びと交流の場となるよう、現在鋭意準備を進めております。会員の皆様におかれましては、演題のご応募を含め、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。何卒よろしくお願い申し上げます。
第36回 日本産業衛生学会全国協議会のご案内
大会テーマ:
「ここから始まった感謝の旅路 想いを胸に皆で集いあう」

企画運営委員長 
伊藤 達男
(川崎医科大学 衛生学教室)
中国地方会の皆さまへ
 先日は、第35回日本産業衛生学会全国協議会が盛会裏に終了し、全国の先生方とともに産業衛生の今とこれからを共有する貴重な機会となりました。すばらしい大会をつくり上げてくださった四国地方会の皆さまのご尽力に、まずもって深く敬意を表するとともに心より御礼申し上げます。大会運営に献身的に取り組まれるお姿を拝見し、私どもが第36回大会という大きなバトンをお預かりしたのだと、あらためて身の引き締まる思いでおりました。
 あわせて、いよいよ令和8年度・第36回倉敷大会に向けた準備が本格的に動き出しました。大会テーマや会場構成に続き、このたび大会ポスターのデザインも完成し、倉敷ならではの雰囲気を感じていただける“ 顔” が整いました。大原孫三郎・暉峻義等両先生のお写真と倉敷労働科学研究所の風景を配したデザインには、倉敷から始まった産業衛生の歴史に敬意を払いながら、未来につなぐ思いを込めています。
 第35回大会では、このポスターを一足先にお披露目させていただきましたが、懇親会の場で、中国地方会の先生方が自らポスターを背中に背負って会場を歩き回り、倉敷大会のPR に力を尽くしてくださる姿がありました。あの光景は、拝見しているこちらの方が、胸が熱くなるほどで、「この大会は本当に多くの先生方に支えられているのだ」とあらためて深く実感いたしました。この場をお借りして、重ねて心からの感謝をお伝え申し上げます。
 とはいえ、大会本番までの道のりは、まだ始まったばかりです。プログラム編成、実地研修の企画、企業・関係機関との連携、現地運営体制づくりなど、これから中国地方会の先生方にお力添えをお願いする場面が、ますます増えてまいります。とりわけ4部会の皆さまには、それぞれの専門性を活かした企画立案や、若手の先生方が参加しやすい場づくりなど、多方面でのご助言とご協力を賜れれば幸いです。
 倉敷大会を、「4 部会で共創する新しい学会の形を体現する場」にしたい。そのためには、これまで以上に中国地方会の皆さまのお知恵とお力が欠かせません。今後、具体的なお願いや打ち合わせのご連絡を個別に差し上げることも多くなるかと存じますが、その折にはぜひ温かいご支援を頂戴できますと大変心強く存じます。
 「倉敷で開催されて本当によかった」と、全国からお越しになる皆さまに思っていただける大会を目指し、実行委員一同、感謝の気持ちを胸に準備を進めてまいります。引き続き、ご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ホームページURL
https://www.kwcs.jp/sanei-kyogikai2026/index.html



理事会報告(2025 年度第2 回、2025 年度第3 回)

理事会報告(2024年度第2回、2024年度第3回)

神田 秀幸
岡山大学医歯薬学域公衆衛生学
2025年度第2回および2025年度第3回の理事会のご報告をさせていただきます。

■第2回理事会(2025/7/20 開催)
<主な審議事項>
1.基盤事項推進タスクフォースの活動計画について

活動期限が2025 年5 月総会までとされていた基盤事項推進タスクフォースについて、引き続き2年間活動を継続することが提案され、承認された。
検討課題は、① 100 周年記念事業、②地方会運営・事務局体制(経理含む)、③新たな学術・実践(公衆衛生系学会連携、国際化、災害産業保健の推進)、④産業保健専門職の倫理綱領の実践への展開、⑤その他、学会運営、会員サービス、ダイバーシティ向上に必要な事項。
地方会運営に関しては、早急に各地方会長に運営上の問題点や要望等をヒアリングし、1年以内を目途に体制の見直しを提案する。

2.基盤事項推進タスクフォース100周年記念事業について
基盤事項タスクフォースのワーキンググループ(WG)として活動してきた100 周年記念事業全体構想策定WG と100 周年記念リレー企画WG を統合し、100 周年記念事業プロジェクトとして一体的に推進することとし、事業の全体構想、WG のタスク、事業のロードマップ、スケジューリング等、今後の方向性を再整理する旨、報告された。

3.  外部理事、外部監事の選任について
2025年度の公益法人法制度改正に伴い、自律的ガバナンス強化のため、外部理事及び外部監事を置くことが必須となったことが説明された。定款の改定が必要であるが、今年度の総会に諮ることが間に合わなかったことから、内閣府に相談し、2026年度総会で外部理事及び外部監事を選任する旨、報告された。

4.  会費請求方法の変更について
産業衛生学雑誌冊子体の印刷、発送中止に伴い、会費の請求方法に変更が必要となる。現在の会費支払い方法は、郵便振替口座への振込方式のみであるが、会員サービスの向上と将来的な会費管理の効率化のため、オンラインでのクレジット決済を導入することが提案され、承認された。当面は学会年会費のみを試験的に実施するとし、利用者の動向を見ながら段階的に、利用範囲の拡大や会員管理システムとの一体化等を検討する。

<主な協議内容>
1. 産業医部会報告
第98回日本産業衛生学会で産業医部会フォーラム「高齢社会における地域保健・職域保健連携のありかた」を開催したこと、第1回産業医アソシエイトコースは予定人数を超える40名の参加があったことが報告された。
2. 産業保健看護部会報告
2026年1月24日(土)に開催する第2回産業保健看護部会学術集会の開催概要、プログラム内容が紹介された。日本看護協会と共同研究した2024年度「産業保健に関わる保健師等の活動実態調査」の結果が日本看護協会のホームページに掲載されていることが紹介された。
3. 産業衛生技術部会報告
実務を推進するために整備された事務局体制と企画運営委員会の運営方針が紹介された。
第98回日本産業衛生学会での産業衛生技術護部会の企画が計画通りに終了したことが報告された。
4. 産業歯科保健部会報告
第98回日本産業衛生学会での研修会、産業歯科保健フォーラム、シンポジウムが盛況だったことが報告された。第25回日本歯科医学会学術大会で企画されている前産業歯科保健部会長の講演「働く人々と企業を歯と口から支援する~合点で動かす歯科予防プログラム~」が注目されていることが紹介された。
5. 専門医制度委員会報告
登録者数(指導医538名、専門医170名、専攻医311名)が報告された。
委員会内に「産業衛生専門医制度ワーキンググループ」を発足させ、新試験制度に向けた検討を開始したことが伝えられた。学会の「産業保健専門職の倫理綱領」の改定を受け、専門医制度における研修手帳の記載文言の一部を見直し、改定したことが報告された。
6. 社会医学系専門医協会報告
2031年度更新から更新に必要なK単位が増加される予定が紹介された。
7. 政策法制度委員会報告
第98回日本産業衛生学会で「小規模事業場への産業保健サービスの提供を拡大するために」をテーマに各職種の演者によるシンポジウムを開催したことが報告され、今後も提言が定着するよう広く呼びかける。
8. 産業保健看護専門家制度委員会報告
登録者数(上級専門家96名、産業保健看護専門家209名)が報告された。
第98回日本産業衛生学会において、10周年記念シンポジウムを開催したことが報告された。
9. 広報委員会報告
基盤事項推進タスクフォースの検討課題となっている今後の広報のあり方、会員サービスについて共に検討を進めていくことが報告された。
10. ダイバーシティ推進委員会報告
第98回日本産業衛生学会でのダイバーシティ推進委員会フォーラムは、大変面白い基調講演であったが、来場者数が少なかったことが気になったと報告された。
2023年度より、学会参加への関心を高めることや地方会活動の活性化を目的として、9地方会を順番に紹介するオンラインセミナーを開催しており、2025年7月26日(土)に「学会活動を知ろう第3弾―九州地方会の紹介―」を開催する予定が報告された。
11. 業務執行理事報告
以下の報告があった。
理事長: 2025年6月27日に行われた日本医学会連合の役員選挙結果が報告された。社会医学系では、引き続き川上憲人氏が理事に選任された。
2025年7月3日の令和7年全国医師会産業医部会連絡協議会を共催し、当学会からは産業精神衛生研究会からの話題提供として代表世話人江口尚氏が講演したことが報告された。前理事長から、EXPO2025での国際シンポジウムGISHW(Global Initiative for Safety, Health & Well-being)の7月17日の当学会が提供したプログラムに60名の参加があり、盛況であったことが報告された。
副理事長: 基盤事項推進タスクフォースの「新たな学術、実践」の主担当として、公衆衛生系学会連携、国際化、災害産業保健の推進に取り組むことが報告された。
総務担当理事: 会員数の増加や地方会運営の今後の検討を進めるに伴い、事務職員を4名にして体制の整備を進めていくことが報告された。


■第3回理事会(2025/10/12 開催)
<主な審議事項>

1. 表彰制度候補者推薦について
各選考委員会の委員長より以下の選考結果が報告され、承認された。
2. 学術大会・全国協議会のオンデマンド配信動画について
学会が保有する知見を社会へ還元すること、および学会活動のアーカイブ化を目的として、学術大会・全国協議会のオンデマンド配信動画を学会ウェブサイトで公開することについて、広報委員会と基盤事項タスクフォースのワーキンググループで検討を始めたことが報告された。今後、企画運営委員会から講演等を依頼する際には、学会ウェブサイトで公開される可能性があることを伝え、同意を得られるように周知することが依頼された。公開するプログラムは、教育的資材か、最新の知見の提供かによって取り扱いが異なるため、分類して考える必要がある。他学会の例や、公開期間を限定した場合の効果、情報が修正・更新されている場合の周知方法、閲覧後の単位申請や資格更新の要件への可否等の意見があった。また、非公開の資材等の取り扱いについても検討する必要があることが付け加えられた。
3. 「健康日本21推進全国連絡協議会」への入会について
2000年より厚生労働省が進めている「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)を民間の立場から推進するため、多くの団体等が参加する形で運営している「健康日本21 推進全国連絡協議会」への入会案内があり、その活動に賛同して入会することとした。

<主な協議事項>
1. 第98回日本産業衛生学会会計報告
暫定の収支報告書案が提出され、決算は黒字となったことが報告された。参加者5,158名、懇親会参加者443名。
2. 第99回日本産業衛生学会準備状況報告
プログラムを検討中である。国際セッションへの同時通訳導入のため、従来型の通訳者を入れて、参加者にレシーバーを配る方法と、AI 同時通訳ツールの2種類を比較検討していることが報告された。企業展示やランチョンセミナーへの協賛募集を開始しているが、スポンサーの確保が難しく、理事への協力が呼びかけられた。
3. 第100回日本産業衛生学会準備状況報告
テーマ等について検討していることが報告された。国際プログラムの企画については第99回日本産業衛生学会との兼ね合いで、国際交流事業ワーキンググループが調整していることが伝えられた。
4. 第35回日本産業衛生学会全国協議会準備状況報告
プログラム等をホームページに掲載し、情報を更新していることが報告された。多くの参加が呼びかけられた。
5. 第36回日本産業衛生学会全国協議会準備状況報告
チラシが完成し、100年ぶりの倉敷開催のPRに努めていくことが報告された。
6. 学術大会・全国協議会開催マニュアルについて
学術大会、全国協議会共に、スポンサーによる共催セミナーはランチョンセミナーを原則としてきたが、スポンサード企画としてスポンサードシンポジウムの開催が増えてきたため項目を追加した。
今後も意見交換してマニュアルを更新していくこととした。
また、学術大会、全国協議会共に、発表演題の著作権は学会に帰属するということを明文化した。
発表演題には抄録、発表に関するコンテンツ、ポスターの内容が含まれる。発表内容の企業による利用や広告宣伝への使用に関する規制が目的であるため、個人が学術目的で再利用することは問題ないことを確認した。
第103回日本産業衛生学会を北陸甲信越地方会、第104回日本産業衛生学会を北海道地方会で開催することが依頼された。
7. 中央選挙管理委員会報告
この数回における選挙管理上の課題に対し、対策案が示され意見交換した。

<主な報告事項>
1. 4部会長会議報告
2029年度開催の第39回日本産業衛生学会全国協議会は、北海道地方会が担当することになった。
2. 専門医制度委員会報告
登録者数(指導医540名 専門医168名 専攻医317名)が報告された。
2025年度専門医資格認定試験は、受験者23名中19名が合格した。
産業衛生専門医新試験ワーキンググループにより新試験項目に関する第1 回パイロットスタディを実施したことが報告された。専門医・指導医名簿を委員会ホームページに公開したことが報告された。
3. 社会医学系専門医協会報告
指導医及び専門医の更新において、本学会の会員の更新申請が44%しかないため、関係者への周知が呼びかけられた。シニア世代向けに専門医、指導医の資格付与対象を拡大するために、特例措置による社会医学系専門医・指導医の募集を開始していることが紹介された。
4. 産業保健看護専門家制度委員会報告
産業保健看護専門家認定試験を、2025年11月16日に初の大阪会場となる関西医科大学で行う予定。
登録者数(上級専門家97名、産業保健看護専門家210名)が報告された。
期限を過ぎた単位申請が目立っており、地方会関係者への周知が呼びかけられた。
5. 広報委員会報告
学術大会・全国協議会のイベント開催告知のメールマガジンの積極的な投稿が呼びかけられ、メールマガジンの原稿依頼先を確認した。
6. 業務執行理事報告
総務担当理事: 地方会事務局の業務改善について、事務局委託業者が使用する業務内容ヒアリングシートを作成し、地方会へ委託を希望する具体的な業務についてのアンケートを依頼する予定であることが報告された。
委員会委員の複数兼任の実態について、現時点で3 委員会を兼任している委員が複数存在していることが分かり、次回以降の委員選出の参考にすることが報告された。
経理担当理事: 各会で作成する来年度の予算について、人件費や物価高騰を鑑み慎重に検討するように注意喚起された。
学会会場費の高騰や、地域差の拡大を訴える声があり、諸条件を鑑みて本部助成金を見直していることが伝えられた。
以上 
令和7年度日本産業衛生学会中国地方会産業医部会 報告

中国地方会産業医部会長
真鍋 憲幸
三菱ケミカルグループ株式会社
産業医部会からは、2025年度( 令和7年度) の事業計画と、この度、徳島において開催された第69回中国四国合同産業衛生学会( 第35 回全国協議会と併催) における産業医・産業衛生技術部会の合同研修会についてご報告いたします。

【2025 年度( 令和7 年度) 事業計画および中間報告】
1.研修事業 ( 本部産業医部会企画)
1) 第30 回産業医プロフェッショナルコース
テーマ: 働く人の「やりがい」「つながり」に産業医はどこまで関われるのか
開催日: 2026年2月7日(土)~ 2月8日(日)( 予定) ( 横浜市) 現地開催のみ
   
2) 第1回産業医アソシエイトコース
講義1 「若手指導医が語る!労働衛生の3管理(+総括管理)の実例・経験からの学び」
講義2 「産業医が理解しておくべき疫学について」
開催日: 2025年6月28日(土)( 大阪市) 現地開催のみ
3) 産業医部会フォーラム
「高齢社会における地域保健・職域保健連携のありかた」
2025年5月16日(金)第98回日本産業衛生学会(仙台市)にて開催
4) 産業医部会自由集会
「求められる産業医になるために、目指すものとは~」
2025年11月27日(木)第35回全国協議会(徳島市)にて開催
5) 四部会合同シンポジウム:
「すべての労働者が元気に働ける産業保健とは」
2025年11月28日(金)第35回全国協議会(徳島市)にて開催


2.中国地方会活動
1) 中国地方会産業医部会役員会・総会
日 時:2025年11月29日(土)(あわぎんホール 会議室6)
2) 中国地方会産業医部会研修会 (四国地方会産業医部会、及び中国四国両産業衛生技術部会と協働)
第69回中国四国合同産業衛生学会産業医部会研修会 徳島市
テーマ:「化学物質自律管理の課題と展望」
日 時:2025年11月29日(土)(あわぎんホール会議室6)
3) 第35回全国協議会(2025年11月徳島市) における産業医部会自由集会の企画、参画
4) 第70回中国四国合同産業衛生学会(2026年7月広島市) における準備活動
5) 第36回全国協議会(2026年11月倉敷市) における準備活動


3.合同研修会のご報告
 第69回中国四国合同産業衛生学会において、産業医部会中国・四国合同世話人会(12:30 ~ 13:00)に続き、産業医部会・産業衛生技術部会合同研修会(13:00 ~ 15:00)を、あわぎんホールで開催しました。テーマは「化学物質自律管理の課題と展望」で、講演2題に加え、グループワークと全体討議を行いました。座長は産業医部会からは真鍋憲幸が、また、技術部会からは浜井盟子先生の2名で担当しました。
 最初の講演では高月克己先生((株) サンキョウ-エンビックス)が、作業環境測定機関・労働衛生コンサルタントとしての支援経験を踏まえ、自律的管理が「やることの多さ」と「判断の難しさ」を伴う点を整理して下さいました。リスクアセスメント対象物質の拡大への追随、結果に応じた確認測定の要否判断、濃度基準設定物質の増加に対する測定機関の対応力、保護具に依存しないばく露低減策(工学的・管理的対策)の検討、化学物質管理者・保護具着用管理責任者に必要な権限付与と役割の明確化、そして組織的運用(特に中小規模事業場)など、事業者側と支援側の双方にある課題が提示され、さらに、作業場の分布把握を重視する「作業環境測定」と、呼吸域の濃度把握に基づく「ばく露濃度測定」の位置づけを確認し、評価軸を意識した運用の重要性が共有されました。
 続いて、2 つ目の講演では竹﨑雅之先生(東レ( 株) 愛媛工場 産業医)が、法改正の背景(危険有害性情報の伝達拡充、国による基準設定等)を踏まえ、事業場で整備すべき自律管理の枠組みと産業医の関与ポイントを解説して下さいました。工場での取組例として、作業開始前の保護具チェックと姿見による着用確認、アセトン洗浄槽での局所排気、SDS や掲示物による注意喚起など、現場で「続けられる形」に落とし込む工夫を紹介されました。
 グループワークでは、有機溶剤作業場の職場巡視写真を題材に、作業主任者の選任・掲示、換気(局所排気・全体換気等)の状態、SDS の確認、呼吸用保護具や化学防護手袋の選定と使用状況、教育・点検の回し方などのチェックポイントを抽出し、優先順位づけを議論しました。全体討議では、コスト・人材不足の制約下でも「保護具に逃げる」だけでなく、代替・密閉化・換気や作業手順の見直しといった本質的対策をどう組み合わせるか、またリスクアセスメント(例:CREATE-SIMPLE)の実施が目的化しないよう、記録・周知・教育を含めた継続的な仕組みづくりが重要であることを再確認しました。
 最後に、化学物質管理の目的は労働者の安全と健康の確保と快適職場環境の形成であることを共有し、リスクコミュニケーションにおいて重要な役割を担う産業医と産業衛生技術職との更なる連携や顔の見える関係性、継続した情報交換の必要性を確認し、会を締めくくりました。

部会報告 産業歯科保健部会報告
産業歯科保健部会報告

江國 大輔
岡山大学学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野
 新春の候,皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます.本部会では、昨年度から広島大学大学院医系科学研究科口腔保健疫学の内藤真理子先生に事務局として手厚いサポートを受けながら、僭越ながら小生が部会長を務めております。
 第35回日本産業衛生学会全国協議会が2025年11月27 - 29日に徳島で開催されました。また、第69回中国四国合同産業衛生学会が同年11月29日に徳島で併催されました。
 歯科保健部会では、関連するプログラムが以下の内容で行われました。

【第35 回日本産業衛生学会全国協議会】
フォーラム2(産業歯科保健部会)
11⽉27⽇(⽊)14:00 〜 16:00 シビックセンター4階 さくらホール
テーマ 「多職種の視点で考察する、働く⼈々のストレス」
演題1 ストレスとストレスチェック制度
徳島⼤学病院精神科神経科特任助教 吉⽥ 朋広先生
演題2 職場におけるメンタルヘルス対策 - 産業保健看護職の視点から-
(医)精華園 海辺の社ホスピタル健康推進室 保健師/ シニア産業カウンセラー 槇本 宏⼦先⽣
演題3 「⼝臭」の悩みから⾒えてくる⼼⾝ の相互 作⽤と包括的⽀援の必要性
徳島⼤学⼤学院医⻭薬学研究部(⻭科系)講師 福井 誠先⽣
座長 ⼩林 宏明先⽣:住友商事株式会社(⽇本産業衛⽣学会⻭科保健部会副部会⻑)
上原 康助先⽣:徳島県⻭科医師会理事

4部会合同シンポジウム
11⽉28⽇(⾦)9:40 〜 10:40 あわぎんホール4階 ⼤会議室
テーマ 「すべての労働者が元気に働ける産業保健とは」
演題1 すべての労働者が元気に働ける産業保健とは ~産業医の立場から~
宮本 俊明先生(産業医部会長)
演題2 すべての人が元気に働けるための産業保健とは ~産業保健看護職の立場から~
五十嵐 千代先生(産業保健看護部会長)
演題3 人的資本への投資を意識した産業保健活動と、それを支えるインフラ整備
中原 浩彦先生(産業衛生技術部会長)
演題4 歯科が関わる産業保健とは?
安田 恵理子先生(産業歯科保健部会長)
指定発言 武林 亨先生:日本産業衛生学会 理事長
座長 斎藤 恵先生:第35 回全国協議会 企画運営委員会長
菅沼 成文先生:日本産業衛生学会 四国地方会長

産業歯科保健部会 後期研修会
11⽉28⽇(⾦)14:00 〜 15:00 あわぎんホール4階 ⼤会議室
テーマ 「働く⼈々に提⾔、⼝腔保健に関する『トリセツ』」
演者 ⼤阪⼤学⼤学院⻭学研究科予防⻭科学講座特任教授 天野 敦雄 教授
座長 安⽥ 恵理⼦先⽣:⼤阪⻭科⼤学⽇本産業衛⽣学会⻭科保健部会部会⻑
北村 直也先⽣:徳島⼤学⼤学院医⻭薬学研究部総合診療⻭科学分野 教授

【第69回 中国四国合同産業衛⽣学会】
産業保健看護部会・産業歯科保健部会合同研修会
11⽉29⽇(⼟)13:00 〜 15:00 あわぎんホール5階 ⼩ホール
テーマ「⻭科医師と話そう!これからの産業⻭科保健」(歯・看コラボ企画)
演題1 産業歯科保健の事例紹介〜歯科医師の視点から〜
医療法人静高会 うぐるす歯科医院 理事長・院長 沼田 和治先生
演題2 産業歯科保健の事例紹介〜健康保険組合の取り組みについて〜
タダノ健康保険組合 事務局長 岩﨑 美樹先生
演題3 産業歯科保健の事例紹介〜企業での取り組みについて〜
株式会社四国銀行人事部 調査役 川上 美紀先生
座長 多賀 律子先生(産業看護部会産業保健師)

 いずれのプログラムも大変すばらしい内容で、多くの方が参加されていました。特に、初の試みであった産業保健看護部会・産業歯科保健部会合同研修会では、歯科と看護の関係者の方々による事例紹介とグループワークを通じて、活発な議論がなされました。他の職種と対面で話し合う中で、あらためて産業衛生における歯科保健の重要性を認識いたしました。
 最後に、次回についてご報告いたします。第70回中国四国合同産業衛生学会は、広島で2026年7月25日~ 26日に第9回ダイバーシティー推進委員会セミナーと合同開催されます。産業保健看護部会・産業歯科保健部会合同研修会の継続企画が予定されております。第36回日本産業衛生学会全国協議会は、倉敷で2026年11月5日~ 7日に開催されます。複数の企画を計画しております。歯科医療職だけでなく、多くの方にとって有意義なプログラムを開催できるよう尽力いたします。引き続き、皆さまのご指導とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。  
部会報告 産業看護部会報告
第35回全国協議会(徳島)・第69回中国四国合同
産業衛生学会 参加報告

本田 桐子
J スクエア中国四国健康増進センター
  第35回全国協議会は「すべての労働者が元気に働ける産業保健をめざして」と題され、産業保健に携わる者として、あらためて立ち返るべき大切なテーマだと感じました。
 今回、特に印象に残ったのは、産業保健看護部会が企画した実地研修「もしバナゲーム と人生会議(余命1年となったとき)」です。村上あきつ先生からは、“ 通院しながら” 治療を続ける患者さんが年々増えている現状が紹介されました。WHO(2000年)による緩和ケアの定義には、身体的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛に早期から気づき、予防的に支援する視点が示されています。「現代の緩和ケアには、広い意味で“ 産業保健” も含まれている」とのお話があり、働くことが心理的・経済的な支えとなり得ること、また「“ びっくり退職” を防いでほしい」との言葉に、産業保健スタッフとして両立支援の考え方や制度を浸透させていく役割の大きさを再認識しました。
 前半のグループワークでは、余命1年と告げられたとき大切にしたいことをカードから選び、語り合いました。どのカードを残し、何を手放すのか。自らの価値観を問い直し、他者の価値観に耳を傾けることで、産業保健師としてだけでなく“ 一人の人間としての死生観” を見つめる貴重な時間となりました。
 後半のグループワークでは、難治性がんを告げられた社員への両立支援について議論しました。どのグループからも産業保健看護職ならではの多面的な意見が多く「その視点を忘れてはいけない」と頷きながら参加しました。
 懇親会では阿波踊りが披露され、会場は一気に躍動感に包まれました。初めて生で拝見しましたが、しなやかな腕の動きと力強い足さばきに魅了され、徳島の芸能文化の奥深さに触れる機会となりました。
 また今回は、中国四国合同産業衛生学会での研修会が歯科部会との初のコラボ開催であったことも、大きな特徴でした。「そういえば、産業保健と歯科について一緒に語る機会は今まであまりなかったな」と気づかされました。一方で歯科の先生方からは「産業保健師さんの仕事、実はよく知らなくて…」という率直な声もあり、お互い“ 知らないことばかり? ” という、意外な共通点を感じる場面でもありました。
 産業保健看護職からは、社内での歯科保健の取り組みが紹介されました。「歯科検診の環境づくりの難しさ」「参加につなげるインセンティブ」「家族を巻き込むイベントづくり」など、現場の本音と工夫が共有されました。グループワークによる意見交換を通じ、歯科と看護が専門性を持ち寄ることで支援の幅が広がる可能性を感じました。
 今回得た学びと気づきを、働く人の“ その人らしさ” を大切にする産業保健活動へつなげていきたいと思います。そして、2026年7月の中国四国合同産業衛生学会、続く第36回全国協議会の企画にも、この経験を活かしていきたいと考えています。
部会報告 産業衛生技術部会報告
2025年度産業衛生技術部会報告

森本 寛訓
川崎医療福祉大学医療福祉学部医療保育学科 准教授

産業衛生技術部会について
 日本産業衛生学会産業衛生技術部会は,2001(平成13)年4月,高知で開催された日本産業衛生学会総会において承認(産業医部会,産業看護部会に次ぐ3番目の専門部会として)されました。
 本部会は,日本産業衛生学会の会員が産業衛生の多様な分野において資質の向上を図る際,とくに技術的な側面に焦点を当て,互いに研鑽し合い,支え合うことを目的として設立されました。産業衛生技術系会員相互の意見交換や技術交流を推進するとともに,活動指針の検討や他部会との協働を通じて,産業衛生活動の総合的な発展に寄与することを目指しています。
 中国地方会の産業衛生技術部会では,地方の現場から全国へと情報を発信し続ける活動を展開しています。そのために,研修会の充実に加え,研修会以外での交流の機会を増やし,地方会内の他部会との連携強化や,他地方会の技術部会とのネットワークづくりにも力を入れています。産業衛生技術部会に入会し,中国地方会の活動に積極的に参加していただけることを期待しています。
 なお,産業衛生技術部会の活動内容は,随時ホームページで紹介しています。当部会には,日本産業衛生学会の会員であればどなたでも入会可能であり,日本産業衛生学会費以外の追加会費は不要です。

2025 年度活動報告
 2025年度は,1)第98回日本産業衛生学会,2)第35回日本産業衛生学会全国協議会,および3)第69回中国四国合同産業衛生学会において以下の活動を行いました。

1) 第98回日本産業衛生学会(仙台市:5月14日(木)~ 17日(土))

シンポジウム10「労働衛生保護具を科学する~労働衛生保護具の基本的研究と実装~」(5月16日(金)16:30 ~ 18:30)
シンポジウム 24「職場のたばこ対策」(5月17日(土)14:15 ~ 16:15)
シンポジウム 25「化学物質リスクアセスメント結果の読み解き方:産業保健職の実務に活かすための視点」(5月17日(土)16:30 ~ 18:30)
教育講演3「化学物質の皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアルを読み解く!」(5月15日(木)9:00 ~ 11:00)
産業衛生技術部会International Symposium「世界と日本の産業保健の違いを考える」(5月15日(木)16:00 ~ 18:00)
産業衛生技術部会拡大幹事会(5/16(金)12:30 ~ 13:30)
産業衛生技術部会総会(5月16日(金)15:30 ~ 16:30)

2) 第35 回日本産業衛生学会全国協議会(徳島市:11月27日(木)~ 29日(土))
産業衛生技術部会専門研修会1「技術系でも知っておきたい倫理審査」(11月28日(金)14:00~ 16:00)
産業衛生技術部会専門研修会2「化学物質の自律的管理〜化学物質管理専門家等による事例紹介〜」(11月28日(金)16:10 ~ 18:10)

3)第69 回中国四国合同産業衛生学会(徳島市:11月29日(土))
産業衛生技術部会研修会「化学物質自律管理と作業環境測定の実際(40分)」(11月29日(土)13:30 ~ 15:30)※産業医部会と合同開催

さいごに
 2025年度は,産業衛生技術に関するシンポジウム,教育講演,専門研修会,および国際シンポジウムなどを企画・運営し,労働衛生保護具や化学物質管理,倫理審査などの実務的課題を中心に情報共有を行いました。技術系職種を含む産業保健職の専門性向上に寄与するとともに,国際的視点から産業保健の課題を検討しました。今後も,産業衛生技術に従事する専門職の実践に貢献できるよう活動を続けてまいります。
編集後記
日本産業衛生学会中国地方会 会長
神田 秀幸
岡山大学学術研究院医歯薬学域公衆衛生学
 皆さん、明けましておめでとうございます。今年が良い一年となりますよう、心も身体も健康で無事にお過ごし頂けることを祈っております。
 いよいよ2026年が幕開けしました。今年は中国地方会にとって大きな年になります。7月には広島県担当の中国四国合同産業衛生学会とそれに同時開催される全国規模の産業衛生学会ダイバーシティ推進委員会研修会(中四国地方会担当)、11月には岡山県倉敷市にて産業衛生学会全国協議会が開催されます。中国地方会をあげておもてなしの心をもって地方会の魅力を発信していきます。開催までの準備や運営は労力を要しますが、地方会の底力を見せる好機と捉えています。
 さて本号は、各部会から寄せられた内容を盛り込んだ紙面となりました。中国地方会からは各部会の取組みや産業保健の動向、筆者らがそれぞれの専門分野や関心を持つトピックスに取り組んで頂いていることが分かる誌面となっております。お忙しい中、ご執筆頂きました担当の皆様に厚く御礼申し上げます。読者の皆様には、中国地方会に多士済々、それぞれの専門をもち個性的なキャラクターが揃っていることがお分かりいただけるかと思います。
 閑話休題。暉峻義等…読めますか?漢文を読解するかのような難しい漢字ですよね。1929年2月、第一回日本産業衛生学会(当時、産業衛生協議会)の学会長を務められた先生のお名前(てるおかぎとう先生)なのです。第一回の学会の開催地は倉敷でした。それから100年近く経た今年、再び倉敷の地に全国の産業衛生関係者が集う機会を得られました事を、中国地方会長として大変光栄に思います。
 2026年はわずか1年しかありませんが、されど先人たちが積み重ねてきた年月の上に立つ1年でもあります。この1年が皆様にとって実り多い年になりますよう、祈念いたしております。
 今後とも、中国地方会の活動にご理解とご協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。