ごあいさつ
日本在宅医学会 第2回地域フォーラム in 岡山
大会長  小森 栄作

医療法人ザイタック ももたろう往診クリニック 院長

 このたび日本在宅医学会 第2回地域フォーラムを岡山市で開催できることになりました。
 超高齢化時代を迎えるなかで、これからの在宅医療は地域包括ケアシステムの構築を通して地域社会を支えるという重要な役割の一端を担うことになります。
 荒波のように様々な課題が次々に出てくる、何でもありの「在宅」という環境の中では、医療職や介護職など単一の職種だけでは患者・利用者に対し安心・満足できる療養生活を十分に提供することはできません。それには患者・利用者が地域での「生活者」であることを念頭におき、様々な角度からどう支援してゆくか、と考える視点が必要になってきます。従来の病院完結の治療医学を中心としたモデルでは対応できないことは明らかであり、地域包括ケアの構築は、それにかかわる様々な職種の連携と協働により進んでゆくものと考えます。そこで今大会のテーマを「みんなで支える在宅医療 ~多職種協働で地域力をたかめよう~」としました。

 年に1度の在宅医学会全国大会は最新の知識やスキルを幅広く学べる場ですが、昨年から始まったこの地域フォーラムはそれに先駆けて、自由な発想で新しい取り組みに挑戦できる場であってよいのではないかと思います。
 在宅医療・在宅療養といっても様々な切り口があり、それぞれに 直面しがちな課題やうまく行うためのちょっとしたコツがあるはずです。それらを共有し、それぞれの地域に持ち帰って医療・介護のネットワークでどうアプローチしていったらよいのかを考える。そのヒントが得られるような大会になればと願っております。

 多職種協働による在宅医療・在宅療養の課題解決のうねりがそれぞれの地域から全国に広がることを期待しつつ大会準備を行っております。参加される皆様には、地域の様々な分野で頑張っている多職種の発表者の在宅医療にかける熱い思いを感じていただきたいと思います。在宅医療にかかわる医療機関の多職種スタッフのみならず、自宅や施設での介護や福祉に携わる多くの職種の方々の参加をお待ちしています。